親と子の接し方
子供のほめ方
子どもを褒めることの大切さ
子どもを褒めたり、子供の行動を認めてあげると、子供は自分自身に存在感を感じます。
自分のすることに自信も持て、他人の言うことを穏やかに受け止めることができ、心の優しい子に育ちます。積極的で本音で話す子供になっていきます。
一方、子どもを叱ってばかりだと、社会に対する不安感が強く育ってしまいます。
自分のしたいことをすると叱られたり拒否されるという判断が強くなるため、自信を持たない子供、社会とうまくかかわれない子供、「本当の自分」を正しく表現できない子供、本音で話せない子どもに育ってしまいます。
顔を見てほめる
子供をほめるときは、子供の顔を見ずに褒め言葉を遠くから投げかけるようなほめ方はいけません。
子供の目を見て、心をこめてほめてあげましょう。頭をなでるなどのスキンシップも合わせて行うと、なおよいです。
こうすることで、子供にとってもほめられた実感がもて、相手に喜んでもらえたと理解ができます。
「できない子」という印象を与えない
「やればできるじゃない」「見直した」という言葉は、「今までたいしたことないと思っていた」というニュアンスが出てしまうため、子供の心を傷つけたり微妙な気持ちにさせてしまいます。
こういったことは口にせず、純粋に子供の頑張りや成果に対して具体的にほめてあげるとよいです。
比較してほめない、叱らない
「○○○ちゃんと違って、よくがんばったね」などと、誰かと比較してほめるのも、よくないです。
不必要に、比較対象となった子を見下すなどの習慣が身についてしまい、後々の人間関係の構築に支障をもたらす可能性があります。
ほめられない状態も受け入れる
子供が何か失敗した場合など、ほめられない状態も、親は受け入れてあげましょう。
子供がよいことをしたときにはほめ、そうでない状況において親子の距離が遠くなってしまうような接し方をしていると、子供は良いことしか言わなくなってしまいます。
たとえ、「困ったことがあったら助けてあげるからちゃんと言ってね」などと子供に言ったところで、子供のほめられない状態を親は受け入れてくれないと子供が理解してしまっていたら、子供は口を開かなくなってしまいます。
子供の良いところも悪いところも、親子で一緒になって向き合う姿勢が大切です。
子どもを褒めるネタを作る
子どもを褒めるのは、何か特別なことをした時だけ褒めるのではなく、何気ないちょっとしたことをした時に都度褒めるのがよいです。
たとえちょっとしたことであっても、それで褒めてもらえると子供がわかったら、また同じことを繰り返してくれます。また、さらにプラスアルファの行動もしてみようと、意欲的な気持ちになることもあります。
子どもがちょっとしたお手伝いをしてくれたとき、気配りをしてくれた時には、面倒くさがらず褒めるようにしましょう。
「それくらい●●君もしているわよ」などと、他人と比較した否定的なことを言ってはいけません。純粋に子供がしてくれたことを、素直にほめるようにしましょう。
子どもが何か特別なことをした時だけ褒めるのではなく、子供を褒めるきっかけを親が作っていくことがポイントです。
子どもにできる何か小さな用事を頼んでみる、例えば、買い物をお願いする、家事のお手伝いをお願いする、などの方法があります。
「●●しなさい」と命令口調で言っても、子供には抵抗感が生まれてしまいます。一方「困ってるから●●手伝ってくれない?」と呼び掛けると、率先して行動してくれることも多いものです。
手伝ってくれたら、たとえうまくできなくても、手伝ってくれたことに感謝して褒める言葉をかけてあげましょう。
結果だけではなく、過程もほめる
テストで高得点をとったり、運動会で1位になった時には子供を褒めると思います。しかし、結果だけを褒めると、結果を出せなかった場合に褒めることができなくなってしまいます。
社会に出て大人になれば結果を重視される場面もたくさんありますが、子供を褒めるときは、結果だけでなく必ずその過程を褒めるようにするとよいです。過程に間違いがなく、正しく努力したのであれば、その時結果が出なくても、やがて結果が出るようになるからです。
子供の叱り方
叱られていることを理解できているか
「叱る」ときに大切なのは、叱っている理由を理解させることです。
叱られている意味をきちんと理解できるようになるのは、4〜5歳くらいになってからと言われています。それ以前の年齢では、叱られている理由はあまり理解できないものなのです。
しかしそれでも、やっていいことと行けないことがあることを、子供に教えることが大切です。小さい子供は、やってよいことと悪いことをすぐに理解することはできませんが、叱る時の迫力で、親からそのメッセージを伝えることが重要なのです。
ほめてから叱る
言葉を叱ったり指導するとき、必ずそれより先に子供をほめたり優しい言葉をかけるようにしましょう。
子どもを褒めるなどして愛情を示した後で、子供が直すべき点を指摘すると、子供は素直にそれを受け止め、行動を見直すことができます。
逆に先に厳しい言葉をかけたり子供のことを否定するようなことを言うと、子供はマイナスの心象しか持てなくなり、親を信用しなくなる場合もあります。
子供をしかるルールを決める
子どもを叱るときには、ルール違反をしたことに対して叱るのが原則です。そのルールとは、たとえば挨拶をする、片づけをする、友達を叩かない、といったルール、約束です。
子どもがルールを把握していれば、なぜ自分が叱られることになるのかを素直に理解できます。
なので親が感情任せに叱っても、教育的な効果はありません。
自尊心を傷つけないしかり方
子供の自尊心を傷つけないために、他人と比較した言い方で叱ってはいけません。
具体的には、「お兄ちゃんのくせに」「○○君はできるのにお前はダメだ」「○○ちゃんは、あなたと同じ年齢の時にはできてたよ」という言い方です。
このような言い方だと、子供は親に対する反感の気持ちを持ちやすく、親子関係にも支障が出る場合もあります。
また、比較された相手を恨むなどの心情を、不必要に発生させてしまう可能性があります。
このような比較する言い方ではなく、悪い点、失敗した点、反省すべき点を具体的に指摘して叱るほうが、自尊心を傷つけないですし、親に対する反感の気持ちも生まれにくくなります。
ただし、目標や見本とする人を引き合いに出し、「あの人のようになろう!」と親子が一緒になって応援する姿勢は、子供を延ばす一つのきっかけになります。
このことは、仕事で部下に注意をする場合でも当てはまります。
子供に、悪さの強弱を学ばせる
親が叱るときの迫力の強弱で、子供はどれくらい悪いことをしたのかを理解します。
些細なことだと軽く叱り、重大な悪さをしたときにはそれなりの迫力を持って叱るのです。
この両者を同じように怒っていては、悪さの重要度を子供は理解することができません。
親は子供を叱るとき、悪さの度合いによって強弱をつけて叱ることが大切です。
なお、悪さの重要度と、その悪さによる影響度の大きさとは、別の問題と認識させることも大切です。
例えば、兄弟のお菓子をたった1個盗み食いした場合と、お店のものを盗んで持って帰ってきた場合です。
悪さによる影響度でいえば、後者のほうが社会的にも大きな影響のある問題です。
しかし、「盗み」をしたことには変わりありません。
このとき、盗みをしたことがとても悪いことであるとして、どちらの場合も強く叱ると、「盗みは絶対にいけないことだ」と子供は理解します。
ここで叱る強弱を変えると、「お店のものは盗んではいけないが、兄弟のお菓子は盗んでも問題ない」と子供は判断してしまうかもしれません。
厳しさが意味を持つとき
親は時に厳しく子供を指導しなければなりません。
でも、厳しい指導が意味を持つのは、親が子供に尊敬されているという条件を満たしているときだけです。
子どもが親を尊敬してくれるのは、親子の間で温かくしっかりとした人間関係が構築されているときです。
そのような親子関係があるときには、厳しさの中にも愛情があることが子供にも分かってくれ、そのこともあって厳しさに教育的な効果がうまれます。
親子の亀裂を生む厳しさには、意味がありません。
子供が悪いことをしたということを気づかせる
子供が何か悪いことをしたとき、「いつもの君らしくないよ」と声をかけます。
悪いことをしたんだよということを気づかせる声のかけ方です。
ここで、悪いことをなぜしたんだ、などと追及しないことがポイントです。
このような追及をすると、子供は「自分は悪くない」と自己防衛の姿勢が全面に出てしまい、反省のきっかけを与えることができなくなります。
子供がより良い方向に行動を修正していける環境を親は作っていきましょう。
解決策のない叱り方をしない
子供をしかるとき、次の3点を子供に伝えます。
- 子供の行動の何が間違っていたのか
- どうすれば正すことができるのか
- 同じ間違いを繰り返さないためには、どうすればよいか
親が子供を叱っても、子供が同じことを繰り返すケースがよくあります。
でも、3つ目の同じ間違いを繰り返さないためにはどうすればいいか、ということを子供が理解すれば、同じことで子供をしかることもなくなります。
子供の行動をただすだけでなく、子供の将来の行動を変えていくよう、親も働き掛けていきましょう。
子供の行動パターンを理解する
親の言うことを聞かない
子供が大人の言うことを聞かないのは、大人の話を聞くことよりも、自分の話を聞いてもらうこと、自分の行動自体に夢中になっているからです。
別の場合で、子供が部屋を散らかしたり、片づけをしないこともあります。それは、部屋を片付けることよりも、遊ぶことに集中していたり夢中になっているからです。
別の視点を持ち、子供は物事に集中すること、夢中になることを覚えているのだと考えることも大切です。
この点に気づけば、子供に片づけを学ばせる有効な方法は、片付け自体に集中できたり、夢中になれるよう、片づけのやり方を親が教えてやればよいです。
子供が親の話を聴いていないと思われるとき、「話をちゃんと聞いてるの?」「わかってるの?」とついつい怒りたくなります。
このとき、子供が話を集中して聞ける環境であるかを考えてみましょう。
子供が眠い、疲れている、機嫌が悪い、テレビに夢中になっている、などの状況であれば、子供は集中して話を聞くことができません。
子供が話を集中して聞ける状況でなければ、親がその状況を作ったり、またそのときを待つことも大切です。
子供に話しかけるときも、早口で畳み掛けるように話すのではなく、ゆっくり語りかけるように話しましょう。子供が理解するペースにあわせて、話すことが大切です。
また、大人が子供と同じ目線になるようしゃがみ、子供の目を見て話しかけましょう。
子供が話を聞いていないからといって、上から目線でガミガミ叱ってばかりでは、子供が理解する機会を作ることができませんし、「ただひたすら叱られるだけ」という印象を子供に持たせてしまうことにもなります。
物を貸さない
おもちゃや物を友達に貸さなくなるのは、子供が「自分のもの」という概念を理解したため、また「大切なものを失いたくない」ということを学んだからです。
逆に、すんなり他人に貸すものの、そのあとで泣き出してしまう場合もあります。このとき、子供は「自分のものを失ってしまった」という悲しい気持ちになるからです。
でも、物を貸してあげるということを子供に学ばせることも必要です。
貸した物がきちんと返ってきたときの「信頼」という気持ちを、子供に学ばせることができるからです。
集団行動をとらない
子供は、まわりの集団と一緒に行動をとるべき場合であっても、単独行動をとることがあります。
子供は一人ひとり考えていることや興味が違いますので、集団行動をとれない場合があるのも無理もありません。
親は根気よく、周りと行動を合わせることの大切さを教えてあげましょう。
すぐに泣く
何かあるとすぐに泣いたり、外で何かあれば家に帰ってきてしまう子供もいます。
このような子供は、性格が優しかったり、争いごとが嫌いな性格なのかもしれません。
子供の話を最後まで聞く
子供が話をしている途中で、親はその話の内容を分かったと判断し、子供の話を途中で打ち切って最後まで聞かないことがあります。
しかし実際には、子供が話したかった内容と、親が理解した内容とが異なっている場合も多くあります。
子供は、思っていることを語る能力が発展途上で、うまく説明できないことも多いものです。
子供の話があっちこっち飛んでしまうことも、よくあります。
だからといって親が話を途中で打ち切ってしまうと、子供の考えを言葉で表現する機会を奪うことになります。
子供にとっても、言いたいことを分かってくれなかった、という残念感が生まれます。
子供の話を途中で打ち切った場合、子供は「自分が伝えたかったこと」に加えて、「親の考えと自分の考えが異なること」も加えて説明しなければならなくなります。
これが子供にとっても大きな負担となり、子供が怒ったり泣き出す原因にもなります。
親は、子供の途中で打ち切りたくなっても、ぐっとこらえて子供の思いをしっかり聞いてあげましょう。
親子のコミュニケーションを充実したものにするためにも、子供の話を最後まで聞くことは大切です。
子供の成長を楽しむ
子供の成長を喜ぶ、という視点をもって子どもに接することが大切です。
一部できない点があったとしても、子どもが過去と比べてどのように成長したのかを見つけ、子供と一緒に喜ぶ気持ちを持ちましょう。
これが、子供の成長を楽しむポイントです。
子供が駄々をこねるとき
駄々をこねる理由
子供が駄々をこねるのは、自分自身の思いを言葉でうまく伝えられていないと感じるからです。
駄々をこねたり、物や人をたたく行動に出てしまうのは、言葉ではうまく伝えられないため、それを行動で示しているというわけです。
子供が駄々をこねるのは、願望を持つまでに子供が成長したという証拠でもあります。
自らの意思を持つようになる1歳〜3歳ごろの子供に多くみられます。それ以上の年齢になると、ガマンする力も身についてくるため、駄々をこねる頻度は低下していきます。
我慢を教える機会
駄々をこねたからといって、子供のいうことを何でも聞いてしまうのも問題です。
子供が駄々をこねるたびに、親が子どもの機嫌をとるようなことをしてばかりでは、子供は駄々をこねれば何でも自分の思い通りになると考えるようになってしまいます。
子どもがただをこねても、ダメなことはきっぱりダメと伝えたり、子どもの駄々を無視するなどして、子供に我慢する力をつけさせることも大切な教育の一つです。
駄々をこねた子供が親の言うことを聞いてくれた時には、「我慢できたね、えらいね」と子どもを褒めてあげるようにしましょう。
駄々をこねる子供への接し方
駄々をこねる子供を見ると親も一緒にイライラすることもありますが、だからといって親が子供に強く当たってしまうと、子供はイライラを解消できないどころかより強いストレスを感じ、駄々こねがエスカレートすることもあります。
駄々をこねる子供に対しては、しばらくそっとしておき、少し落ち着いてきたころに「嫌だったんだね」「悲しかったんだね」と声をかけ、子供の気持ちを一緒に汲み取り、子供の思いを受け入れてあげるよう、子供にコミュニケーションをしてあげるとよいです。
駄々をこね始めることと、駄々こねが減ってくることは、子供の成長のあかしです。
子供を見守り、子供と一緒に親も成長するのだという心の余裕を持って、子供に接することが大切です。
子どものイヤイヤ
子どものイヤイヤ対処法1
例えば、スーパーなどで「これ買ってくれなきゃヤダヤダ!」などとおねだりを始めたときなどの対処法。
2歳ごろまでは、無理やり別の場所に連れて行き、別のものに興味を持たせると、イヤイヤが収まることがあります。「欲しい欲しい」の感情がさっと消えやすい年齢だから、有効な対処法です。
でも2歳以降になると記憶力がつくため、どこに行けば欲しいものがあるかを理解してしまいます。なのでこの方法は通じず、親もきちんと説得するように心がけるとよいのですが、そう簡単に子供も理解しないので、親子の我慢比べになりがちに・・・。
2歳くらいになると、子供は大人のまねをしようとします。着替える、食べる、組み立てる、物を動かすといったことを、自分でもやりたがるようになります。
「じぶんでする!じぶんでする!」と言うものの、実際やってみるとうまくいかなくて「ママやってよぉ〜ヤダヤダーうえ〜ん」となっちゃう。
こんな子供への対処法。
子どもの自立を目指すためにまずは子供にさせてみて、子供が困ってしまったら親が助けて対処してあげるとよいです。
子どものイヤイヤ対処法2
子どものヤダヤダ対処法として、子供の気分を変えてあげると効果的なことがあります。
子どもの気分も変わって、イライラがすっと収まるのです。この特性をうまく使って、子供のヤダヤダに対処していくのも、親としてのコツです。
一方で、子どものヤダヤダ要求にこたえてあげることも重要です。要求にこたえてあげることで、子供のヤダヤダの気持ちがおさまることもあります。親が意地を張って子供の要求を断固拒否し続けると、子供はさらにエスカレートした要求を出すか、あきらめることになります。
エスカレートした要求を出す子供はイライラ感情が強い人間に育ってしまう可能性があります。また、すぐにあきらめてしまう子供は、やがて自分の要求を表に出さない人間に育ってしまう可能性があります。
言い換えると、子供のヤダヤダの対処の仕方によって、その後の子供の成長過程が決まる一因になるとも言えます。
我慢を理解させることも大切ですが、イライラが収まる経験をさせること、困ったときには親が助けてくれると理解させることも、子育てには大切なポイントです。
イヤイヤの理由
赤い服を着せようとしたら、ヤダヤダと抵抗する。青い服を着せようとしたら、文句を言わずにスッと着てくれる。でも別の日、気に入ってる青い服を着せてやろうとするとヤダヤダと抵抗する。そこで先日嫌がった赤い服を着せようとしたら、スッと着てくれた。
人参を食べさせようとしたら、ヤダヤダと抵抗するので、かぼちゃを食べささせようとしたら、喜んで食べた。でも別の日、子供が好きなカボチャを食べさせようとしたらかんしゃくを起こす。そこで先日嫌がっていた人参をあげたら、文句言わずに食べた。
こんなこと、よくありますね。
子どもは目の前のものに対してイヤイヤという場合もあれば、目の前のものに関係なくその時の気分がイヤイヤと言っていることがあるのです。
子どものイヤイヤは「それが嫌なんです」という意味では場合があります。
大人が考えるイヤと、子供が考えるイヤは、別次元のイヤなのです。
でも、子どもがイヤイヤを言うってことは、イイとイヤを理解し始めているということです。
これも、子どもの成長の証です。
このような子供のイヤイヤは、言葉で意思疎通ができるようになると、次第になくなっていきます。
無理やり子供のイヤイヤを直させるような指導はせず、子供のイヤイヤに付き合いながらも、おおらかな気持ちで子どもに接していきましょう。
イヤイヤ→心理的成長へ
欲しがるものを与えなければ、それはその時点で子供にとっては大きな欲求不満やストレスになるでしょう。
しかし、そのストレスは大人になるために必要な経験であり、心理的成長につながります。
子どもの心を傷つける親の行動
子供向け雑誌に載っていた内容です。
以下に当てはまる場合、親の行動が子供の心に圧力をかけてしまい、子どもの心を傷つけたり、子供の人間らしさを損ねる可能性があるそうです。
- 一生懸命しつけをする
- 小さいころから、勉強や習い事をさせすぎる
- 礼儀作法を強調しすぎる
- よいことをした時だけ、過剰にほめる
- 悪いことをすると、罰を与える
- 親の気分によって、言うことが変わる
- 夫婦間でのいがみ合いが多い
- 子供に対して、決まり事を作りすぎている
- 子供の友達を批判する
- 他人や社会の批判を言っている
- 兄弟間で比較をする
- 親の苦労している姿をアピールする
- 子どもを無視することが多い
- 子供を監視するように見ている
- 自分がかなえられなかった希望を子供に託している
いずれも、自分自身を客観的に見ないと判断が難しいですね★
子供の悪い行動を見ても、無視をする
子供が良い行動をしたときは、親は子供をほめるなどの行動をとって子供に関心を見せましょう。
一方、子供が軽微な悪いことをしたとき(例えばいたずらなど)には、子供を無視するようにします。
親がこのような行動をとることで、子供は適切な良い行動を積極的にとるようになります。
悪い行動にいちいち反応を見せると、かまってほしさに悪さをするような行動を取ってしまうことにもなります。
この両方のメリハリをつけるとともに、子供が良いことをしたら積極的に感心を示していくことが大切です。
もちろん、悪いことの程度が過ぎる場合には、子供をしっかりしかり、行動を改めさせなければなりません。
子供にするべきことをさせる場合のやり方
片づけをしないなど、子供にするべきことをさせるようしつける場合、「また散らかして!さっさと片付けなさい!」と怒るよりは、以下の方法を試してみるのはどうだろうか。
まず、親が「散らかしたままだとうっかり踏んだとき、あなたの足がけがするよ」などと子供のことを心配する言い方をする。
そのあとでまず親が先頭に立って片づけをし、子供を手伝うように誘う。
子供が片づけを手伝い始めたら、「ありがとう」「これで家族がけがをすることもなくなるね」などと言葉をかけ、一緒に片づけを行う。
結果的に親子ともに、するべきことを気持ちよく完結させることができる。
ガミガミしかると、子供はストレスがたまる一方だし、片づけをする理由を学ぶことができない。
片づけをすべき理由を納得するようになれば、子供は周りを喜ばせるということも理解するようになり、自然と行動を起こすようになってくれる。
一緒にルールを作る
子どもにしつけをさせる際、子どもと一緒にルールを作ることがコツです。
ルールを決める時のポイントは、以下の通りです。
- 子どもと一緒に決める(親が一方的に決めない)
- 子どもが守りやすいルールにする(ちょっとがんばるだけでできるものにする)
- 肯定的な内容のルールにする(おもちゃを散らかさない⇒遊んだらおもちゃを片付けよう、電車の中では騒がない⇒電車では静かにしよう、など)
このルールを、事前に決めて、話し合います。
「電車では静かにしよう」というルールであれば、家を出る前にルールについて話し合います。
家を出るとき、駅で電車に乗る直前には、「電車に乗るときのルールは何だったかな?」と聞いて、ルールを再確認します。
このようなタイミングで改めてルールを再確認させることで、自主的にルールを守るようになります。
ルールを守れたら、「電車で静かにできたね。えらいね、ありがとう」というように、具体的に成果を説明し、きちんとほめることも大切です。
ほめる回数が増えると、子供はその行動が習慣として定着していきます。
悪い行動を叱ってやめさせるよりは、よい行動を褒める行動のほうが、しつけには効果的です。
「命じる」より「約束させる」
一緒にルールを作るという話にも関連しますが、子供が自分から言ったことを守ったり、社会のルールを学ばせるには、親が子供に銘じるのではなく、子供と一緒にルールを作り、それを約束させる方がよいです。
親が命令しても、子供はそれに反発したくなります。一方、約束をすれば、自分にうそをついてはいけないという気持ちも子供の中に生まれます。
素直に納得して行動できるようにするためには、命じるよりも約束させる方が効果があるでしょう。
親の言うことをきく子供にするために
人の言うこときく=我慢する
人の言うこと、親の言うことをきくということは、我慢をすることでもあります。
自分のしたいように何でもできてしまうと、社会的生活が成り立ちません。
ひとりひとりが譲り合う気持ちを持つことが大切ですが、そのためには「自分が我慢をする」ことを子供に理解、体験させなければなりません。
しつけと脅かしは違う
親である自分のいうことをきかせようと思い、次のような言葉を子供にいう親がいます。
- ●●しないと叩くよ!
- ご飯をこぼしたら、今後はご飯なしだからね!
- 6時になっても帰らないなら、家に鍵をかけて入れさせないから!
これに類する言葉をかける親を、皆さんも見たことがあると思います。
これは、しつけではなく脅しです。
自分の子供ではない人(例えば仲の良い友人)に言っても、反省してくれるでしょうか?
言われた方は、反省の気持ちより、不快な気持ちや不信感が強く残る結果になるのではないでしょうか。
それは、子供も同じことです。
このような言葉を使っている人は、それが教育効果のある効果的な言葉かどうかを考えましょう。
親と子は立場が違う
子供は大人と同じようにふるまってはいけない場合がある、親と子は立場が違うということを、子供に教えることも大切です。
例えば、親と一緒に買い物に行った時に何を買うかは親の判断で決める、など。
子供は不満に思うこともありますが、親と子は立場が違うということと共に、社会のルールを学ばせることが大切です。
子供を誘導するときの言い方
「△△△しなかったら、×××になっちゃうよ」というような不安を与えて行動を促すやり方は、子供に対して必要以上に不安を与え、前向きな気持ちをそいでしまうことがあります。
例えば、「習い事に行かないなら、遊園地に連れて行かないよ!」「早く準備しないと、置いていくよ!」などです。
子供にとってうれしくない状況を強く思い出させてしまったり、未来に対する恐怖を増幅させてしまう結果となる場合があるため、このような言い方は望ましくありません。
それよりも、子供にとって明るい未来を想像できる、前向きな言葉をかけるほうがよいです。
例えば、「習い事に行ったら、好きな○○がたくさんできるし、お友達とも遊べるよ」「早く準備したら、その分早く着けるから、その分たくさん遊べるよ」という言い方をします。
このような言い方は、子供だけでなく大人にも通用する方法です。
子供が、禁止事項を守らない場合の対応
子供の行為をしかる、注意する
あらかじめしてはいけないと伝えていることを、子供がしてしまった場合の対応についてです。
子供は時に、してはいけないとわかっているのに、それでもしてしまうこともあります。
この時、子供の態度ではなく、行動、行為を改めるように指導します。
なぜしてはいけないかを説明するとき、きちんと理屈立てて説明して、それを子供が納得してくれることが最善ではあります。しかし場合によっては、「もともと決まっていることであり、みんな守っている」と説明してみてもよいでしょう。
みんながきちんと守っているその様子、その行動を見せたり話しかけるなどして、説明するのです。
子供の人格や性格を否定すると、その子供の心が育ちません。
行動、行為を改めるよう、きちんと子供に伝えていくことが大切です。
子供の思い
やってはいけないとされていることを、子供が平気でやってしまうことがよくあります。このとき、子どもには次のような考えがある場合があります。
- 何としてもやり遂げたい
- 自分の能力を最大まで発揮してみたい
- やってみるとどうなるか、身をもって体験したい、学習したい
このように、子供の前向きな姿勢も大切にしてあげたいものです。
公共の場で騒ぐとき
子供は、自分の要求を伝えたくて、公共の場で騒ぐことがあります。
騒ぐことで、親がかまってくれる結果となりますからね・・・。
また、騒ぐことで思い通りに親を動かすことができたという成功体験から、何度も騒いで親の関心をひこう、親に言うことを聞かせようとして、繰り返し何度も騒ぐこともあります。
子供が騒ぐ前に、前向きに子供に話しかけたり子供をうまく説得できれば、騒ぐこともなくなるかもしれません。
子供にきちんと報告させる
何か悪いことがあっても、子供がそれを親に伝えないこともあります。
親にとってはもっと早く教えてほしかったという気持ちになりますし、早く教えてくれたら被害が大きくならないように対応できたのに、ということもあるかと思います。
なぜ子供が親に報告しないかというと、子供なりに、親に迷惑をかけたくないとか、親に言うと逆に怒られるなどの理由で自分に不利な結果になる、と考えているからです。
早く親に報告してほしいなら、子供が早く報告できる雰囲気を作ることが大切です。
たとえば、子供が報告したら、真っ先に叱るのではなく、「教えてくれてありがとう」「もっと早く教えてくれたら、○○○のようにいいことがあるから、次からは気づいたら早めに教えてね」などと答えてあげるとよいでしょう。
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