記録メディア
記録メディアのデータを、災害や損傷からデータ復旧する
記録メディアが損傷したとき、データを復旧できるかどうかの実験結果を知る機会がありました。
データの復旧について知ることで、
・水害や火災の被害を受けた記録メディアのデータを、適切に読み出す。
・個人情報保護のため、適切に記録メディアを破壊する。
ときのポイントを得ることができます。
まず、実験対象の記録メディアは次の3種類です。
- ハードディスク
パソコンのハードディスク、携帯音楽プレーヤーのハードディスクなど
- 光ディスク
CD-ROM、CD-R、DVD、ブルーレイディスク、ゲームソフトのディスクなど
- 半導体メモリ
USBメモリー、半導体音楽プレーヤー、ROMタイプのゲームソフトなど
この3種類のメディアに対して、水害、破壊、火災を試みたときにデータを復旧できるかどうかを専門業者に依頼した実験結果は次の通りでした。
水害
ハードディスク
水道水のようなきれいな水に水没した場合、水からあげた後すぐに乾燥させれば、データは問題なく読み出せる。
(強い風で多くの水分を吹き飛ばした後、1〜2分程度ドライヤーの温風を当てて乾燥させる)
食塩水や泥水に水没した場合は、水道水でよく洗った後、同様に乾かせば高い可能性でデータを読み出せる。
一方、水につけてしばらく放置した場合、様々な不純物が磁気ディスク上に固まって残ってしまう。水道水であっても、わずかにミネラル成分などが含まれるため、小さな塊ができる。
電源を入れてディスクを動かすと、その成分が回転してディスクを傷つけ、データを読み出せなくしてしまう。不純物を含む水であれば、ディスクに固まる大きさも大きくなるため、より損傷の度合いは高くなる。
いずれの場合も、水没したディスクは一度読みだして別のメディアにデータをバックアップしたあとは、使用しないほうが無難。
光ディスク
水からあげて乾燥させれば、問題なくデータは読みだせる。
食塩水や泥水に使った場合も、水道水でよく洗えば同様にデータを読み出せる。
ただしディスク表面に細かい不純物が付着している場合は、ディスクの回転によって読み取り機器を損傷させてしまうことがある。データを別のメディアにバックアップさせた後は、そのメディアは使用しないほうが無難。
半導体メモリ
濡れた状態で通電させると、著しく寿命を縮めてしまい、数時間の通電でデータを読み出せなくこともあり得る。
そのため、利用の前には、完全に乾かしておくことが重要。
ただし、一度水につかるとメモリの寿命を縮めてしまうため、やはりデータをバックアップさせた後は使用しないのが無難。
物理的損傷
ハードディスク
1mの高さから落とすなど衝撃を与えた場合、ディスクに傷をつけてしまう場合がある。
内部の磁気ヘッドが曲がってしまうなどすれば、電源をONにした時点で内部の部品同士が接触し、金属がこすれるような異音が発生する。その場合はディスク上のデータをバックアップし、以後使用しないほうが無難。
安全策を取るなら、電源を入れず、専門業者に依頼してデータをバックアップしてもらうのがよい。
光ディスク
ディスクのレーベル面と記録面の両方にカッターナイフで傷をつける。
1〜2本程度だと読み出し機器で通常通り読み出すことができる場合がある。
20本近く傷をつければ、読み出し機器では読み出すことができなくなる。
しかしその場合でも、専門業者に依頼すれば傷のついていない部分のデータは復旧できてしまう。
また、サインペンで記録面の全面を塗りつぶしても、専門業者に依頼すればデータを復旧させることができる場合がある。個人情報などを記録したメディアの処分の際は、処分の仕方に気を付ける必要がある。
半導体メモリ
真っ二つに折るなどすれば、通常の用途ではもはや使用することはできない。
しかし半導体部品内のデータを保持する半導体チップなどが損傷していないなら、専門業者に依頼することでデータの復旧が可能な場合がある。
火災
実験の条件として、200度の温度で4分間加熱したあと、通常の温度に冷ましてから読み出してみる。
ハードディスク
ハードディスク内部の部品が破損するため、通常の使用ではデータを読み出せないことがある。
ただし、磁気の状態には変化が小さく、専門業者に依頼すればデータを復旧できる。
ただし、さらに長い時間加熱された状態が続けば、確実に磁気に影響を及ぼし、やがてデータを完全に読み出せなくなってしまう。
光ディスク
加熱により、ほぼデータを読み出せない状態になっている。
ディスク自体が変形すること、またディスクの記録面は熱によって化学変化を起こしてデータを記録させる仕組みのため、熱には弱い。
したがって、車のキャビネットや直射日光に当たる場所で保管すると、ディスクの寿命を縮めてしまうことになるので注意が必要。
半導体メモリ
実験の条件下では、損傷はなく、通常使用でデータを読み出せる。
ただし、より高温で長時間熱せられると損傷がひどくなり、データを読み出せなくなる可能性が高くなる。
また、データが記録されているチップに損傷がなければ、専門業者に依頼することでデータの復旧が可能な場合がある。
USBメモリの寿命
USBメモリやSDカードなどの半導体メモリーの寿命は、約5年ほどだそうです。
書き換え可能回数も約5000回〜10000回で、寿命が来るとデータが自然に消えてしまうこともあるとのこと。
PC関連雑誌に書いてありました。
USBメモリやSDカードは、数年単位で交換する消耗品と認識しておいたほうがよいのかも。
ただ、製品の進化が早いので、どのみち数年単位では買い替えている人は多いでしょうけれどね。
- 本コンテンツの内容は、信頼できると判断した情報をもとに作成していますが、情報の正確性、完全性を保障するものではありません。
- 本コンテンツの内容に誤りがあった場合、その責は負いかねます。
- 本コンテンツの内容は、執筆時点のものです。将来にわたって内容を保証するものではありません。
- 本コンテンツの内容は、適宜見直し、予告なく修正、削除を行います。
|